1986年 5月27日
開発(アーマープロジェクト、チュンソフト) 販売(エニックス) 見どころ 気持ちの良い音楽 ふっかつのじゅもん マルチウインドウ スライム・ホイミ 自己ベスト クリア 完成度 ☆☆☆☆ 知名度 ★★★★★ 今回の調査物は1986年に世にでたエニックスのドラゴンクエストだ。 シナリオに「ポートピア連続殺人事件」「オホーツクに消ゆ」「軽井沢誘拐案内」の堀井雄二、 キャラクターデザインに漫画「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の鳥山明、 プログラムに「ドアドア」「ポートピア連続殺人事件」のチュンソフトの中村光一、 音楽に「恋のフーガ」「亜麻色の髪の乙女」の作曲家のすぎやまこういちという豪華スタッフで作られた。 パソコンのロールプレイングゲーム「ウィザードリィ」「ザ・ブラックオニキス」「夢幻の心臓」にハマった制作陣が、 それらを参考にして上手にアレンジした作品。後のRPGのスタンダードな形となり、後に国民的RPGとまで称された。 プレイヤーは勇者ロトの血を引く者となり、竜王を倒し、奪われた光の玉を取り戻す事が目的。 非常に丁寧で挑戦的な作り。人と話すのに東西南北を選ばなければいけないとか、 扉を開けるのにいちいちコマンドのとびらを選ばなければいけないだとか、主人公がカニ歩きとか、 洞窟に明かりをつけるためにたいまつが必要だとか、今のプレイヤーがやればとっつきにくいと感じる要素も 当時の子供には敵を倒して成長するRPGというジャンル自体馴染みがなく、充分な衝撃を与えた。 (とはいえ小学生にはまだまだ分かり辛い部分もあり、本格的に浸透したのは続編のIIからである) 死んだ時はゲームオーバーでなく、お金が半分になって復活するシステムはとても親切。 ダメージにばらつきがあったり、一歩で敵が連続で出てきたり、沼地の洞窟でいきなりドラゴンが現れたり、 会心の一撃がかわされたり、ホイミはHPが10しか回復しなかったりするからだ。 (後のスーパーファミコンやゲームボーイでのリメイク版ではすべて改善された) 「ポートピア連続殺人事件」同様、堀井雄二独特のユーモア溢れる台詞回しが面白く、読みやすいメッセージ、 当時パソコンで出始めていたマルチウインドウシステムをファミコンで再現する等、中村光一のプログラムも凄い。 (後に他社にリバースエンジニアリングされまくって似たゲームが乱発される) 扉を開ける音、階段を降りる音、会心の一撃の音、レベルアップの音などとにかく効果音が気持ち良い。 音楽もオープニングのドラゴンクエストのテーマは圧巻の一言。プロというよりすぎやまこういちの力を魅せ付けられた。 すべての曲が当時のゲーム音楽の水準を遥かに超えていて、添え物のBGMでなく単体で楽しめるまさに音楽である。 可愛らしく憎めないスライムやいかにもお金を持っていそうなゴールドマン、 凶暴そうなリカントの造形等、鳥山明のモンスターデザインも素晴らしい。見事にドット絵で再現している。 これらたくさんの優秀なスタッフを結びつけたエニックスの千田幸信プロデューサーも忘れてはならないだろう。 制作期間は4ヶ月。ファミコンで国内で150万本、世界を含めて200万本の販売本数を記録している。 海外では任天堂から「ドラゴンウォーリアー」というタイトルで販売されている。 発売が日本よりも3年も遅れた為、日本程のヒットにはなっていない。 (英訳等のローカライズを担当したのはHAL研究所の岩田聡である)
by fairladyz_soarer
| 2004-11-10 21:33
| ファミリーコンピュータ
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